12月の徳島旅行で宿泊したホテルリッジは、和と洋の美味しいお食事が楽しめることでも人気です。
食事を頂く場所が敷地内の別の建物にあり、敷地が広いため専用車で送迎付でした。
予約の時に、夕食・朝食ともに和と洋から選びぶことができます。
我が家は両方とも和食を頂きました。和食の場合は、登録有形文化財の建物を移築して建造された「万里荘」でお食事ができるからです。
評判の高いお食事は想像以上の美味しさでした。
滞在中の夕食と朝食の、メニューをご紹介します。
※2020年12月の旅レポートです。
万里荘 個室のお茶室で非日常を味わう
ホテルリッジには和洋2つの食事処があり、和食の場合は「万里荘」になります。
この「万里荘」は2006年に登録有形文化財である「旧三井高達別荘」を移築して再建築された大きな建物。
入り口から建物内に入ると凛とした澄んだ空気が流れる空間。
建物内は入り口から見るよりずっと広くて、大きな石庭もあり、1番奥にお茶室が数部屋ありました。
下の写真はお茶室から見た室内の様子です。
一見、外に見えるのですがここは全て室内。
夕食の時は初めてでお茶室の写真を撮る余裕がなかったため、この写真は翌日の朝食時に撮影。
万里荘の空気感は、まさに「非日常」
時間が逆戻りするような、今が幻のようにさえ感じてしまうような不思議な空間。
今回はたまたま1番奥の広いお茶室の個室で夕食と朝食を頂くことができました。
このお茶室は、2020年11月号の家庭画報に美しい写真が掲載されていますので、気になる方はバックナンバーで見てみてくださいね(通常、個室利用は事前予約が必要だと思います)
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夕食 和食のコースメニュー
夕食は和食会席のコースでした。
<お品書き>
◆先附◆ 海鮮石焼き
◆八寸◆ 季の物色々
◆椀物◆ 蟹真丈
◆造里◆ 鳴門鯛 ぶり さより
◆焼物◆ 寒ぶり 淀大根
◆凌ぎ◆ なまこの酢の物
◆肉料理◆ 阿波一貫牛・松茸・湯葉巻き
◆温物◆ 金目鯛蕪蒸し
◆食事◆ 根菜の釜焼きご飯・留椀・香の物
◆水菓子◆ 盛り合わせ
徳島の海の幸・山の幸だけでなく、お出汁にもこだわっていて、全て丁寧に手間をかけて作られたものばかりでした。
そして、器と料理の調和も素晴らしかったです。
私の写真では本当の美味しさは伝わらないと思いますが、雰囲気だけご紹介します。
◆先附◆ 海鮮石焼き
万葉荘の名物、海鮮石焼き。
高温に熱せられた石で新鮮な海鮮類を焼いて食べます。
この日は生イカでした。
専用のタレを絡めてから、焼石の上で軽く炙ると、香りが一気に広がりました。
新鮮なぷるっとしたイカに香ばしさが広がり、嗅覚を刺激する最初の1品でした。
◆八寸◆ 季の物色々
次にテーブルに運ばれてきたこのプレートをみて思わず笑顔になりました。
漆器のプレートに乗ったガラス玉の上に前菜がいろいろ。
食べるのがもったいないくらい素敵なセッティング。
一口サイズだけれど、全て繊細で絶妙な組み合わせのお料理ばかりでした。
◆椀物◆ 蟹真丈
次に運ばれてきたのは艶やかな大きなお椀。
ホテルリッジで使われている漆器のレベルの高さは素晴らしかったです。
濃くて深い味わいのお出汁が全てを包んでくれます。
蟹の身がギュッと詰まっていて、口に含むたびに旨味を味わえました。
◆造里◆ 鳴門鯛 ぶり さより
ヒノキのお盆で出されたお造りは、まず目を楽しませてくれます、
この器との組み合わせが素敵すぎて、しばし時が止まったような気がしました。
今回のお食事の中で私が1番素晴らしいと思ったのがこのお皿です。
鳴門の天然鯛はぷりぷり。
すだちを絞ると、爽やかさが倍増。
お皿が素敵すぎて、食べ終わってもお皿を眺めてしまいました。
◆焼物◆ 寒ぶり 淀大根
寒ぶりは照り焼き。
脂が乗っていて、甘い淀大根との組み合わせがブリ大根のようで、トッピングのジャガイモの素揚げが繊細過ぎてびっくり。
3つの違う味と食感のハーモニーでした。
◆凌ぎ◆ なまこ
なまこはすだちのカップに入っていました。
お酢の物というより酢醤油で食べるなまこの薄切り。
中央に乗っている丸い大根おろしはいろんな味がして、なまこを引き立ててくれました。
実は私はなまこが今まであまり好きではなかったのですが、このなまこは美味しくて完食。
素材と味付けって大切ですね。
◆肉料理◆ 阿波一貫牛・松茸・湯葉巻き
お肉は「阿波一貫牛」のしゃぶしゃぶでした。
付け合せに湯葉巻きと松茸。
「阿波一貫牛」は徳島のブランド牛。生産から出荷まですべて一貫して行われるため生産量が少ないお肉です。
珍しい黒い陶器のミニ鍋にはお出汁が入っていて、そこにさっとくぐらせてから頂きます。
しゃぶしゃぶ用とは思えない厚めにスライスされた立派なお肉でした。
このお肉は、甘みが濃厚な味でした。脂身が湯通しすると甘みに変わるような感じでとても食べごたえのあるお肉でした。
◆温物◆ 金目鯛蕪蒸し
黄色とシルバーの器に入った蕪蒸しは、中に金目鯛が入っています。
これもお出汁の濃厚さがよく合う一品。
金目は柔らかくて、脂も乗っていてジューシー。
こういうお料理こそ、素材の違いを感じますね。
当分これ以上の蕪蒸しには出会えないと思えるような美味しさでした。
◆食事◆ 根菜の釜焼きご飯・留椀・香の物
大きな黒い土鍋が登場。
炊きたての根菜の炊き込みご飯が入っていました。
根菜の炊き込みご飯って、文字で書くと地味ですが、この炊き込みご飯は想像を思いっきり裏切ってくれるような旨味と甘みを一度に味わえるご飯でした。
あまりに美味しくて、息子はおかわりしていました。
一緒に出された白味噌のお味噌汁も、出汁とミソの深いとろみが最高でした。
◆水菓子◆ 盛り合わせ
デザートは、フルーツの盛り合わせと白ごまクリームの白玉団子。
四国の文旦と、徳島産のいちご。
徳島のイチゴは中が白色、でも甘みしっかり。
この白玉のデザートは、クリームが3層ぐらいになっていて、1番下に小倉餡が入っていました。
食べて行くほどに違う味に変化していきます。
この白玉は常連のお客様にも人気とのことでした。
朝食 和食メニュー
翌朝も「万里荘」へ車で送って頂いて、昨夜と同じ個室のお茶室で朝食を頂きました。
昨夜の神秘的なお部屋の雰囲気とはガラリと変わり、朝日で明るく照らせれたお部屋は全く別の場所に来たみたい。
石庭の模様や、向かい側のお茶室も見渡せて、爽やかな朝が一層爽やかに。
テーブルに朝食をセッティングして頂きました。
朝食は、品数が多くて、それぞれの器も凝っていて、目で楽しめるお料理がいろいろ。
木のボックスは何かな?と思ったら、中には炭と網が入っていて、練り物や海苔を炙って食べるものでした。
固形燃料を使わないのもこだわりとのこと。
炭で炙ってから食べるじゃこ天の味は、こんなに美味しいんですね。
そして、朝食のテーブルで一際存在感があったのが、このヒノキのお風呂風の湯豆腐セット。
ヒノキと銅板で作られた湯豆腐用の桶を初めて見ました。
急須部分の底が長くなっていて、湯豆腐のたれが温まっています。
手間をかける所に妥協はしない、本物だけの世界。
大人の世界ですね。
しじみのお味噌汁は白味噌仕立て。
ホテルリッジの白味噌は濃厚なのにお出汁の香りも負けていません。
朝食だけれど、サバやタコのお刺身もありました。
もちろん、すだちを絞って食べます。
銀鱈の西京漬け焼きも脂が乗っています。
ここでもすだちの爽やかさが加わります。
ふわふわのだし巻き卵、これは自宅ではけして作れない味ですね。
そして、朝食で1番印象深かったのは、ビーフシチュー。
よく煮込まれたお肉がゴロゴロ、口の中で溶ける柔らかさ。
洋のメニューだけれど、たぶんお出汁が入っていると思います。しつこくないのに濃厚で大満足の一品でした。
デザートは、生フルーツのゼリー寄せ。
このガラスの器もとても素敵でした。
缶詰ではなくてフレッシュフルーツだけで作られてあるフルーツゼリー。
この透明感は多分アガーで作られていると思います。
飲み物はコーヒー・紅茶・ハーブティーから選べました。
夫と息子はコーヒー、私はハーブティー。
ハーブティーはカモミールとローズヒップの2種類がありました。
私はローズヒップティーを頂きました。
しばし時間の流れを忘れさせてくれる素敵な時間とお食事でした。
ホテルリッジを利用してみた感想
たった1泊でしたが、非日常を味わえる「本当の時間の流れ」がホテルリッジにはありました。
東京から飛行機で1時間、車で約30分走れば、この場所に来ることができます。
徳島阿おどり空港から鳴門までが近いこともあり、すごく遠くへ来た気がしないのに、たしかに「非日常」ここにあります。
本物しかない場所、本当の時間を味わえる場所で日常から一歩離れて、心も充電できました。
普通のホテルとはいろんな事が違うので、人によって好みは分かれるかもしれません。
でも、この時にここに来られて本当に良かったと思います。
コロナの影響で小さく縮んでしまった心や感性に栄養をたっぷり頂けた気がしました。
感染対策もしっかりされていましたし、スタッフさんの対応もとても良かったです。
また、もともと客室が10室しかないため(利用した日は満室のようでしたが)他のお客様をほぼ見かけることがなく、コロナ渦でもソーシャルディスタンスを気にせず済んだのも安心してゆっくりした時間を味わえたポイントだと思いました。
YouTubeの動画
この旅の様子はYouTubeにも動画をUPしてあります。
動画の方が旅の雰囲気が伝わると思いますので、ご興味あったらご覧ください。